[2000.10.16]
  ピアトゥピア革命の日まで


 ▼Scour Files for Bankruptcy(WIRED NEWS)【英語】
  http://www.wired.com/news/business/0,1367,39444,00.html


 ピアトゥピアソフトウェア企業がそのソフトで金儲けをできないのは,わかっていたことだった。それはブラウザだけを売って利益をあげている企業がないのと同じだ。別の金づるをきちんと探すことが,生き残るための唯一の手段,なのだが…,まだ誰もそれを探し当てていない。ナップスターだって,明日破産してもおかしくない,というのが現状だ。

 ナップスター社と同様のファイル共有サービスを提供しているスカウア社は13日,破産法に基づく会社再建手続きの申請を行なった。同社は米国映画協会と米国レコード協会(RIAA)から著作権侵害で訴訟を起こされており,損害賠償金は,1作品あたり15万ドル,総額2250億ドルに達している。ダン・ロドリゲス社長は,今回の申請で製品とサービスを利用可能にし続けると声明で述べている。

 スカウア社は9月4日に70人の社員のうち52人をレイオフしていた(WIRED NEWSの記事)。著作権侵害で訴えられたことで,投資家たちは尻込みし,新しい資金獲得がまったく滞っていた。そもそも,ナップスター社が追いつめられて和解交渉をしているといいながら,どこかRIAAを嘲ったような,敵対するような態度を崩さないのに対し,スカウア社はまったくその逆,RIAAに対し,へりくだったような態度を示し続けてきた。もちろん敵対することが得策とは云えないが,相手の非に対し,おもねる態度は感心しない。それは確固たる信念のなさと受け取れた。

 だが,ナップスター社でさえ,いったいなにで十分な収入を得ているのか不明だったりする。インテルなども強く興味を示しているピアトゥピアは,いまだビジネスとしては成り立っていない。そしてもしかしたら,これはビジネスとして成り立たないのではないか,とも感じる。だれもネットサーフィンするのに金を払うやつはいないし,メールを受け取ることに金を払うやつもいない。つまりは,そういうことなのだ。となると,ナップスター社だって先は長くない(すでに終末は見えてきているし,過去記事)。この手のソフトウェアの進む道は,ワイヤードの基本ともいうべきオープンソースウェアとしての発展が有望だ。それを一歩先ゆくグヌーテラに,期待は尽きないのだ。そうしてファイル共有が,電子メールと同じように,生活の一部となる。金儲けに左右されない自由を手にしたとき。そうなったときが,ピアトゥピアの本当の革命の日だ。ナップスターとスカウアのいる今は,まだ始まりに過ぎない。


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